【漢方薬剤師が解説】冷感頭痛に効果的な漢方薬ヘッドスパ

ヘッドスパの効果は、髪質改善や頭皮ケアだけだと思っていませんか?漢方薬ヘッドスパは、髪や頭皮のお悩みだけでなく、健康に関するお悩みを解決するヘッドスパです。漢方薬やメディカルアロマを使用し、多岐にわたる健康トラブルを解決に導きます。

今回のテーマは「冷感頭痛」です。寒さ、暑さ、湿度、疲労、血液、水分、肝・腎の不調など、様々な要因によって頭痛は引き起こされますが、冷感頭痛は冷たい外気によって身体が外側から冷やされることによって生じる頭痛です。

私は漢方薬剤師であり、美容師としても銀座で20年間活動してきました。その間、健康に関するご相談を数多くいただき、漢方薬ヘッドスパを用いて解決してきました。

身体のお悩みに幅広く対応できる漢方薬ヘッドスパですが、今回は、冷たい外気によって引き起こされる冷感頭痛への効果を説明いたします。

この記事により、冷感頭痛の要因や特徴の他、冷感頭痛に対する漢方薬ヘッドスパのきめ細やかな対処法をご理解いただけると思います。

目次

ヘッドスパとは「水を使った頭の健康法」

「ヘッドスパ」は、英語の「head」(頭)と「spa」(スパ)を組み合わせた言葉です。「スパ」という言葉は、元々はラテン語の「sanus per aquam」から来ており、「水による健康」を意味しています。

これは、古代ローマ時代において、温泉や湯治場が人々の健康維持に役立つことが広く認知されていたことに由来します。

つまり、ヘッドスパとは「水を使った頭の健康法」ということになり、水(お湯)はヘッドスパを行う際には欠くことのできない大切なものであるといえます。

頭皮の健康: 髪だけでなく、全身の美容と健康にも影響を与える重要な組織

頭皮は、私たちの頭部を外部からの紫外線やダメージから守る重要なバリアとなっています。これは単なる髪の生え際を覆う皮膚ではなく、髪の成長や維持に不可欠な組織であると言えます。皮脂や汗腺が頭皮を潤し、感覚神経は外部の刺激に対応することで、頭皮は環境からの影響に柔軟に対処しています。

頭皮の中で行われる生理学的なプロセスも見逃せません。血液循環を通じて、豊富な栄養が頭皮に供給され、これが髪の健康と成長に直結しています。同時に、頭皮は免疫機能によって保護されており、外部からの病原体や有害な物質から身を守っています。

そのため、頭皮の健康は単なる美容の観点だけでなく、全身の美容と健康にも大きな影響を与えています。頭皮が健康であることは、髪だけでなく、肌や全身の調子にも直結しており、その重要性は見過ごせません。正しいケアや衛生習慣を実践することで、頭皮の機能を最適な状態に保ち、美しい髪と健康な頭皮を維持することができるのです。

漢方薬ヘッドスパは自然治癒力を高めるヘッドスパ

漢方薬ヘッドスパは、漢方薬とメディカルアロマを使用するヘッドスパです。漢方薬剤師がお話を伺い、お悩みの症状に合わせた漢方薬と精油を選んでヘッドスパを行います。漢方薬ヘッドスパのコンセプトは、自然治癒力を高めて体調不良を改善することです。

 ノーリンスで軽やかな髪に!

髪に対しても「自然治癒力を高める」というコンセプトは同じで、髪が持っている本来の力を引き出すことにより、リンスやトリートメント類を一切使用せず、サラッと軽い仕上がりを実現します。髪の表面に付着させるものとは違い、高い効果が持続します。

 漢方薬はオーダーメイド治療

漢方薬は、いくつかの生薬を組み合わせて作られる薬です。例えば、「六味丸(ろくみがん)」という漢方薬は、地黄(じおう)、山茱萸(さんしゅゆ)、山薬(さんやく)、茯苓(ぶくりょう)、沢瀉(たくしゃ)、牡丹皮(ぼたんぴ)といった6つの生薬からできています。

それぞれの生薬には役割があり、お互いの特徴を活かしながら効果を高め合う構成になっています。漢方薬の目的は、体全体のバランスを整え、身体が元々持っている「自然治癒力」を高めて体調不良を改善することです。

そのためには、一人ひとりの体質や体調に合わせて処方する必要があります。これが「漢方薬はオーダーメイド治療」と言われる由縁です。

POINT

漢方薬ヘッドスパでは、漢方薬剤師がお客さま一人ひとりの悩みに応じて適切な漢方薬を選定いたします。

 薬学的観点から効果的なメディカルアロマを活用

アロマテラピーは、芳香を意味する「アロマ(aroma)」と療法を意味する「テラピー(therapy)」を組み合わせた言葉です。フランスやベルギーでは、代替・補完医療としてメディカルアロマが積極的に利用されています。

POINT

漢方薬ヘッドスパでは、薬学的観点から精油の本質を捉え、漢方薬剤師が効果的にメディカルアロマを活用いたします。

外気で冷やされることによって引き起こされる冷感頭痛

冷感頭痛は、冷たい外気によって身体が外側から冷やされて起こる頭痛です。身体は冷えると縮こまり、血液や気の巡りが悪くなります。

漢方では、血液や気、水分などの流れが悪くなると痛みが生じ、これが外的要因による場合は、身体上部から影響が出始めるといわれます。すなわち、冷感頭痛は身体が外気で冷やされ、血液や気の巡りが悪くなった結果として生じるものと考えられます。

冷えから来る痛みは強烈で、冷えれば冷えるほど痛みが増していきます。冷えによる痛みは、頭だけではなく、全身に現れるという特徴を持ちます。

冷感頭痛の症状

冷感頭痛では、次のような症状が現れます。

【頭痛】

冷たい外気が体表の防御を突破し、背中を走行する経絡(けいらく)に入ることによって頭痛が生じます。経絡とは、血液や気を全身に運ぶための通路です。冷感頭痛に伴って、首から肩の後ろ側にかけて筋肉がこわばり、関節が痛むこともあります。

【くしゃみ・鼻水】

肺をめぐる気が、鼻の穴や口から侵入してくる冷気を追い出そうとして、くしゃみや鼻水が出ます。

漢方薬ヘッドスパの効果

基本的に、漢方薬は複数の生薬から成り立っていますが、生薬には似たような働きをするものがあります。ここでは、漢方薬ヘッドスパで使用する類似生薬グループを便宜的にヘッドスパA、ヘッドスパB、ヘッドスパC、・・・と呼ぶことにします。

冷感頭痛への漢方薬ヘッドスパでは、次のような効果を持つ複数の生薬をバランスよく組み合わせることによって、単独で使用するよりも高い効果が得られるように配合いたします。

ヘッドスパAの効果

ヘッドスパAの主な効果は、次の2つに分けられます。
①風邪を追い出し、頭痛を鎮める。
②気の流れを整え、乱れた血流を改善する。

①、②の順に効果を詳しく見ていくことにいたしましょう。

①風邪を追い出し、頭痛を鎮める

頭痛を引き起こす原因の1つに風邪というものがあります。風邪は、「かぜ」ではなく「ふうじゃ」と読みます。風邪が身体に侵入すると、頭痛や悪寒(おかん)が生じます。ヘッドスパAは、風邪を身体の外へ追い出し、頭痛や関節痛を鎮めます。

効果的に頭痛を鎮める

ヘッドスパAは、軽い発汗効果によって他の生薬と協力して風邪を身体の外へ追い出します。さらに鎮痛作用を持つため、冷感頭痛のような風邪による頭痛に効果的です。

関節痛に効果的

ヘッドスパAは、関節の重だるい痛みにも有効です。この痛みは、風邪の他にも水分代謝の不調が影響します。このようなときには、ヘッドスパAが持つ発汗効果、循環促進効果、鎮痛効果を活かした漢方薬ヘッドスパを行います。

②気の流れを整え、乱れた血流を改善する効果

ヘッドスパAには、血管を広げて血流を良くする作用があるので、血液が滞(とどこお)っている時には他の生薬と協力して滞りを改善します。また、血液が不足している場合には効果的に血液補給を強化することができます。

ヘッドスパBの効果

ヘッドスパBの主な効果は、次の4つに分けられます。
①冷気による体表への悪影響を排除する効果。
②鎮痛効果。
③膿(うみ)を排泄する効果。
④異常おりものを止める効果。

順を追ってヘッドスパBの効果を詳しく見ていくことにいたしましょう。

①冷気による体表への悪影響を排除する効果

ヘッドスパBは、冷気による体表への悪影響を排除し、身体を温め、体液の流れを整えます。また、鼻づまりを改善する効果もあります。

②鎮痛効果

ヘッドスパBは、高い鎮痛効果を持ち、頭痛、胃痛、歯の痛みなどに使用します。

③膿(うみ)を排泄する効果

ヘッドスパBには、化膿して蓄積した膿を排泄する効果があり、蓄膿(ちくのう)症の前額部痛(おでこの痛み)や鼻づまりに有効です。

④異常おりものを止める効果

ヘッドスパBには、身体を温めて体液の流れを整え、異常おりものを止める効果があります。

ヘッドスパCの効果

ヘッドスパCは上半身のトラブルに有効で、主に次の2つの効果が挙げられます。
①発汗・鎮痛の効果を持ち、体液の流れを整える。
②関節痛を効果的に鎮める。

これらの効果は次のように説明できます。

①発汗・鎮痛の効果を持ち、体液の流れを整える

ヘッドスパCには、発汗・鎮痛の効果とともに、体液の流れを整える効果があります。締め付けられるような頭痛、激しい身体の痛み、むくみ、身体が重く感じるなどの症状に有効です。

②関節痛を効果的に鎮める

ヘッドスパCは、体内を流れる水分の滞りと風邪によって生じる関節痛に有効で、特に上半身の痺(しび)れや痛みに効果的です。風邪は「かぜ」ではなく「ふうじゃ」と読みます。風邪が体内に侵入すると、悪寒(おかん)がしたり身体に痛みが生じたりします。

ヘッドスパDの効果

ヘッドスパDの主な効果は、次の3つに分けられます。
①外気によって冷やされた身体を温める効果
②風邪による皮膚トラブルへの効果
③止血効果

ヘッドスパDの効果は次のように説明できます。

①外気によって冷やされた身体を温める効果

ヘッドスパDには、外気によって冷やされた身体を温める効果があり、悪寒(おかん)、発熱、頭痛、身体の痛みなどによく使用します。さらに、体内の水分調整の不調によって頭や身体が重く感じる時にも有効です。

②風邪による皮膚トラブルへの効果

風邪によって、血液が過剰に熱を帯びることがあります。風邪は「かぜ」ではなく「ふうじゃ」と読みます。風邪が体内に侵入すると、悪寒(おかん)がしたり身体に痛みや痒(かゆ)みが生じたりします。風邪による痒みが強い湿疹や蕁麻疹(じんましん)などの皮膚トラブルにヘッドスパDが効果的です。また、皮膚が化膿したときの初期症状に使用することもあります。

③止血効果

ヘッドスパDは止血効果を持つため、血便、鼻血、不正性器出血・月経過多に使用します。産後や出血後、あるいは貧血などで起きる眩暈(めまい)にも有効です。

ヘッドスパEの効果

ヘッドスパEの主な効果は、次の3つに分けられます。
①外気からの悪影響をブロックする効果
②ジュクジュクする湿疹を改善する効果
③関節痛の改善効果

ヘッドスパEの主な効果は次のように説明できます。

①外気からの悪影響をブロックする効果

ヘッドスパEには外気からの悪影響をブロックする効果があり、免疫力の低下によってカゼを引きやすく治りにくいときに使用します。悪寒(おかん)、発熱、身体の痛みにも効果を発揮します。

②ジュクジュクする湿疹を改善する効果

ヘッドスパEは体表部に作用し、皮膚のかゆみを止めたり、ジュクジュクする湿疹を改善したりする効果があります。また、化膿し始めた皮膚トラブルにも対応します。

③関節痛の改善効果

ヘッドスパEは、関節痛、しびれ、むくみ、身体が重だるいなどの症状に効果を示します。原因となる風邪と体内に生じた粘り気を持つ水分を取り除くことによって、上記症状を改善します。風邪は「かぜ」ではなく「ふうじゃ」と読みます。風邪が体内に侵入すると、悪寒(おかん)がしたり身体に痛みが生じたりします。また、身体を流れる水分は、水分代謝の不調によって流れが滞(とどこお)ると粘り気を生じるようになります。

ヘッドスパFの効果

ヘッドスパFの主な効果は、次の3つに分けられます。
①気の流れを整え、痛みを鎮める効果
②自律神経を整える効果
③月経によるイライラ感を改善する効果

ヘッドスパFの効果は次のように説明できます。

①気の流れを整え、痛みを鎮める効果

気の流れが悪いと身体に痛みが生じることがあります。ヘッドスパFには、気の流れを整え、痛みを鎮める効果があります。例えば、お腹が冷えて胃が痛い、気持ちが悪い、口の中に唾が溜まる、お腹が張った感じがするといった症状に使用します。

②自律神経を整える効果

自律神経は気の働きから大きな影響を受ける器官です。ヘッドスパFは気の流れを整える効果を持ちつため、自律神経に働きかけて、憂うつ感、緊張感、イライラ感、肋骨下部の脹り・痛み、お腹の張り・痛み、排便の不調、月経不順などの症状を改善します。

③月経によるイライラ感を改善する効果

憂うつ感、緊張感、イライラ感は気の乱れによって生じる症状です。ヘッドスパFには気の流れを整える効果があるため、このような症状を伴う月経周期の異常(早くなったり遅くなったり一定しない)、月経困難(特に月経開始時の痛み)、乳房が脹って痛むときに有効です。

多岐にわたる漢方薬ヘッドスパの効果:癒しと調整で快適な日常生活をサポート

今回は頭痛に対する効果がテーマですが、その他にも漢方薬ヘッドスパの効果は多岐にわたります。髪や頭皮の健康だけでなく、全身に働きかけて身体のバランスを整え、快適な日常生活を送れるようサポートいたします。以下に効果の一例をご紹介いたします。

効果例1

頭痛、頭重、めまい、立ちくらみ、目の疲れ・かすみ・乾燥・充血・痛み、耳のふさがり感、聴力低下、耳鳴り、慢性鼻炎、蓄膿症、嗅覚障害、嗅覚異常、喉のふさがり感

効果例2

気管支喘息、慢性気管支炎、咳

効果例3

動悸

効果例4

精神不安、不眠症

効果例5

産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、産後の体力低下、つわり、月経不順、更年期障害、貧血、冷え性

効果例6

病後・術後の体力低下・衰弱、寝汗、息切れ、疲労倦怠感、軽い尿漏れ、夜尿症、むくみ

効果例7

湿疹・皮膚炎、皮膚の荒れ、かゆみ、いぼ、にきび

効果例8

急・慢性胃炎、神経性胃炎、胃痛、腹痛、胃腸虚弱、食欲不振、夏やせ、慢性下痢、便秘

効果例9

腰痛、下肢のしびれ・痛み、四十肩、五十肩、神経痛、関節痛、筋肉のけいれん、こむら返り、筋力低下、寝違え、筋肉痛、肩こり

漢方薬ヘッドスパ:冷感頭痛の改善を目指す漢方薬とメディカルアロマのヘッドスパ

冷たい外気によって身体が外側から冷やされて起こる冷感頭痛に対し、漢方薬ヘッドスパでは、次のような効果を持つ生薬と薬学的観点から選び抜いたメディカルアロマ精油を使用します。

ヘッドスパAの主な効果

①風邪を追い出し、頭痛を鎮める。
②気の流れを整え、乱れた血流を改善する。

ヘッドスパBの主な効果

①冷気による体表への悪影響を排除する効果。
②鎮痛効果。
③膿(うみ)を排泄する効果。
④異常おりものを止める効果。

ヘッドスパCの主な効果

①発汗・鎮痛の効果を持ち、体液の流れを整える。
②関節痛を効果的に鎮める。

ヘッドスパDの主な効果

①外気によって冷やされた身体を温める効果。
②風邪による皮膚トラブルへの効果。
③止血効果。

ヘッドスパEの主な効果

①外気からの悪影響をブロックする効果。
②ジュクジュクする湿疹を改善する効果。
③関節痛の改善効果。

ヘッドスパFの主な効果

①気の流れを整え、痛みを鎮める効果。
②自律神経を整える効果。
③月経によるイライラ感を改善する効果。

POINT

私たちが行っている漢方薬ヘッドスパ「漢方薬アロマタッチ」は、ヘッドスパA〜Fの様に各症状に合わせた生薬を効果的に組み合わせ、身体が元々持っている「自然治癒力」を高めることによって様々な体調不良の改善を目指すヘッドスパです。