器質性認知症とは?漢方薬アロマタッチによる対策

器質性認知症は生命保険等で頻用される用語で、アルツハイマー病の認知症・血管性認知症・他に分類されるその他の疾患の認知症を指すことが多いようです。これは、ICD-10による精神疾患の分類に基づくものです。
ICD-10は、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類で「疾病及び関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems」の最新版(1990年版)です。
器質性精神障害とは
器質性精神障害とは、精神疾患のうち、内分泌疾患などの結果として脳機能に影響を与えるものや脳外傷や脳梗塞などのように直接脳そのものを障害するもののことです。
F0 症状性を含む器質性精神障害
F00 アルツハイマー病の認知症
F00.0 アルツハイマー病の認知症、早発性
F00.1 アルツハイマー病の認知症、晩発性
F00.2 アルツハイマー病の認知症、非定型又は混合型
F00.9 アルツハイマー病の認知症、詳細不明
F01 血管性認知症
F01.0 急性発症の血管性認知症
F01.1 多発梗塞性認知症
F01.2 皮質下血管性認知症
F01.3 皮質及び皮質下混合性血管性認知症
F01.8 その他の血管性認知症
F01.9 血管性認知症、詳細不明
F02 他に分類されるその他の疾患の認知症
F02.0 ピック病の認知症
F02.1 クロイツフェルト・ヤコブ病の認知症
F02.2 ハンチントン病の認知症
F02.3 パーキンソン病の認知症
F02.4 ヒト免疫不全ウイルス[HIV]病の認知症
F02.8 他に分類されるその他の明示された疾患の認知症
F03 詳細不明の認知症
F04 器質性健忘症候群、アルコールその他の精神作用物質によらないもの
F05 せん妄、アルコールその他の精神作用物質によらないもの
F05.0 せん妄、認知症に重ならないもの
F05.1 せん妄、認知症に重なったもの
F05.8 その他のせん妄
F05.9 せん妄、詳細不明
F06 脳の損傷及び機能不全並びに身体疾患によるその他の精神障害
F06.0 器質性幻覚症
F06.1 器質性緊張病性障害
F06.2 器質性妄想性[統合失調症]様障害
F06.3 器質性気分[感情]障害
F06.4 器質性不安障害
F06.5 器質性解離性障害
F06.6 器質性情緒不安定性[無力性]障害
F06.7 軽症認知障害
F06.8 脳の損傷及び機能不全並びに身体疾患によるその他の明示された精神障害
F06.9 脳の損傷及び機能不全並びに身体疾患による詳細不明の精神障害
F07 脳の疾患、損傷及び機能不全による人格及び行動の障害
F07.0 器質性人格障害
F07.1 脳炎後症候群
F07.2 脳振とう後症候群
F07.8 脳の疾患、損傷及び機能不全によるその他の器質性の人格及び行動の障害
F07.9 脳の疾患、損傷及び機能不全による器質性の人格及び行動の障害、詳細不明
F09 詳細不明の器質性又は症状性精神障害
見当識障害
認知症の人は状況に合わない行動をとることが多いといわれます。これは見当識障害といって、状況を把握する力が低下するために起きる症状です。見当識とは、季節、年月日、時間において「今がいつ」で、「ここはどこ」で、「自分は今何をしているのか」という、自分が現在置かれている状況を把握することです。自分と他人との関係性を把握することも見当識に含まれます。
認知症によって見当識の「いつ」が障害されると、「今、何時なのか」がわからなくなり、約束の時間を守れなくなったり、予定通りに行動することができなくなったりします。次第に「今日は何月何日なのか」「自分は何歳なのか」ということもわからなくなります。季節感も薄れてくるため、季節に合わない服装をすることも多くなります。
「どこ」が障害されると、道に迷ったり、自分の家の中でトイレの場所がわからなくなったり、かなり遠方へ歩いて出かけようとしたりします。自分と他人との関係性が障害されると、自分と家族との関係性や過去に亡くなった人物関係についても混乱が生じ、自分の息子のことを「お父さん」と呼んだり、すでに亡くなって今はいない親に会いに行くと言ったりするようになります。
アルツハイマー病の認知症とは
アルツハイマー型認知症は、病理学的に神経原線維変化とアミロイドβの変化を特徴とするアルツハイマー病によって大脳皮質、海馬、前脳底部で神経細胞死、シナプス減少、アセチルコリン低下が起こり、認知症を発症した段階のことです。
アルツハイマー型認知症の症状
アルツハイマー認知症の症状は、中核症状と周辺症状のふたつに大別することができます。中核症状とは、脳の器質的な障害によって現れる症状です。代表的な中核症状は、物忘れといわれる「記憶障害」です。起こった出来事や経験を忘れてしまう症状です。この症状はアルツハイマー型認知症では、ほぼ全ての患者に認められ、物忘れは症状の進行に伴って悪化していきます。
その他の症状では、日時や場所を把握する能力が失われる「見当識障害」が現れます。また、徘徊や無為・無反応、食行動異常などの行動症状やうつ状態、焦燥、妄想などの心理症状が現れます。この行動症状と心理症状を合わせて周辺症状と呼びます。
アルツハイマー型認知症の進行
アルツハイマー型認知症は、一般に軽度認知障害(MCI)から始まり、軽度認知症、中等度認知症、重度認知症という進行経路をたどります。軽度認知障害(MCI)では、高頻度の軽い物忘れや出来事を部分的に思い出す良性健忘、時間進行関係の軽度の困難さが生じてきますが、この段階では介護は必要としません。
これが進行すると、記憶障害、時間的見当識障害、地誌的見当識障害が見られるようになり、重度認知症まで進行すると、問題解決能力や判断力も失われ、自宅外での生活は不可能になります。
血管性認知症とは
血管性認知症は、脳梗塞や脳出血など全ての脳血管障害に起因して生じる認知症の総称です。
血管性認知症の症状
血管性認知症は、早期からの歩行障害、不安定性および頻回の転倒、泌尿器疾患で説明困難な尿失禁などの排尿障害、偽性球麻痺(延髄より上位の脳幹部や大脳が損傷されたことにより、嚥下困難、構音障害、咀嚼障害などが生じること)、人格障害および情緒障害(感情失禁)などの症状が生じやすいといわれます。
他に分類されるその他の疾患の認知症
ICD-10による精神疾患の分類で「他に分類されるその他の疾患の認知症」には、次のような認知症があります。
- ピック病の認知症…(病名)前頭側頭葉型認知症
- クロイツフェルト・ヤコブ病の認知症
- ハンチントン病の認知症
- パーキンソン病の認知症
- ヒト免疫不全ウイルス[HIV]病の認知症
- 他に分類されるその他の明示された疾患の認知症…(病名)脳リピドーシスの認知症、レビー小体型認知症
器質性認知症と関係が深い脳のゴミ
成人の脳では、1日に約7gのタンパク質のゴミが作られています。このゴミは、適切に排泄されないと脳に蓄積し、健康を損なう可能性が高いといわれています。器質性認知症の原因物質として疑われるアミロイドβ(ベータ)も脳で生じるゴミの一種です。
通常、これらのゴミはグリンパティックシステムと呼ばれる脳のクリーニングシステムによって処理されていますが、ここに何らかのトラブルが生じるとゴミは脳に蓄積されることになります。「脳に溜まったゴミをいかに排泄するか?」これが器質性認知症を進ませないためのポイントになると考えられます。
アミロイドβと記憶の喪失
一般に、人間の体で生じたゴミは腎臓や肝臓で処理され、体外へ排泄されます。その過程では、体中に張り巡らされたリンパ系が様々な組織で生じたゴミを回収し、細い導管→太い導管→血管の順に流れ込み、ゴミを腎臓や肝臓へと運び込むのです。かつて、脳にはリンパ系のようなゴミを回収する仕組みは存在せず、脳で生じたゴミは全て脳内で処理されると考えられていました。
しかし、近年の研究によって脳にもゴミを回収する仕組みが備わっていることが発見されました。この仕組みを「グリンパティックシステム」といいます。脳の血管は「血管周囲腔(けっかんしゅういくう)」に囲まれ、両者の間には脳脊髄液(のうせきずいえき)という液体が流れています。血管周囲腔の外側は「アストロサイト」と呼ばれる支持細胞とつながっています。
脳で生じたゴミは脳脊髄液中に排泄され、アストロサイトを通じて静脈内に送られて腎臓や肝臓で処理されることがわかっています。器質性認知症の脳内では、グリンパティックシステムが正常に機能せずにアミロイドβという脳のゴミが蓄積し、記憶が失われていくのではないかといわれています。
器質性認知症と頭蓋仙骨療法
グリンパティックシステムは、近年になって明らかにされた脳のゴミ処理システムです。しかし、この存在は以前より予見され、時折、脳で生じたゴミの排泄ルートである脳脊髄液の流れ方に異変が起きることに気付いた医師がいます。
この医師は、脳脊髄液の流れに異常が生じると記憶力・集中力の低下、頭痛、無気力、慢性疲労など様々な現象が起きることを発見し、さらに、外部からの手指刺激を用いた脳脊髄液の流動調整によって、これらの症状が治癒することを見出だしました。この手法は頭蓋仙骨療法(とうがいせんこつりょうほう)と呼ばれ、まさにグリンパティックシステムの正常化を目指す手法と考えられます。
グリンパティックシステムの研究には、脳における水の出入り口となる「アクアポリン4」というタンパク質の発見が重要な役割を果たしましたが、アクアポリン4の働きを証明するためには脳内の水の動きを生きたまま可視化する必要がありました。
当時は現在のような高度な顕微鏡技術がなかったため、世の中の人にグリンパティックシステムの存在を広く認知されるのは難しかったのかもしれませんが、頭蓋仙骨療法における脳脊髄液の流動システムの考え方は、まさしくグリンパティックシステムそのものです。
器質性認知症対策「漢方薬アロマタッチ」
私たちは、この手法をさらに進化させ、脳に働きかける漢方薬、大きなリラックス効果を生むメディカルアロマシャワー、温泉療法を頭蓋仙骨療法と融合し、様々な角度から脳を活性化させることを目指した「漢方薬アロマタッチ」を開発いたしました。
漢方薬、メディカルアロマ、頭蓋仙骨療法、温泉療法をそれぞれ単独で用いるのではなく、全てを同時に行うことに私たちは大きな意義を見出しています。漢方薬アロマタッチでは漢方薬を必要とするため、薬剤師の資格と医薬品の取り扱い許可が必要です。また、メディカルアロマシャワーの実践には美容師の資格と美容所の許可が必要です。
私たちは、これら全ての資格と許可を所有し、みなさまに安心してご利用いただける環境を整えています。漢方薬アロマタッチは、既成概念にとらわれず、何とか器質性認知症のお悩みを解決する方法はないかと模索した結果、ようやく辿り着いた手法です。漢方薬アロマタッチが目指すのは快適な日常生活を取り戻すことです。器質性認知症対策のひとつとしてお考えいただければ幸いです。
このページは医薬関係者への情報提供を目的としています。
薬剤師・美容師の資格を所有しています。幼少時より自然食品を中心とした生活を送る中で食事の大切さを学び、その後、漢方薬を学びました。日々、苦痛が少なく効果が大きい健康法の開拓に努めています。