認知症が進むとどうなる?漢方薬アロマタッチによる対策

高齢化が進む日本では、認知症に対する不安は高まる一方です。「認知症が進むとどうなるのか?」「有効な認知症対策はあるのか?」といった疑問は、多くの方が抱くものではないでしょうか?ここでは、代表的な認知症の例を挙げ、それぞれの認知症がどのように進むのかを検討し、認知症と深い関係があるといわれる脳のゴミと漢方薬アロマタッチとの関係を考察していきます。
アルツハイマー型認知症が進むとどうなる?

アルツハイマー型認知症は、静かに発症し、症状もゆっくりと進みます。近時記憶障害で発症することが多く、その中でもエピソード記憶の障害が特に多いという特徴を持ちます。他の認知症に比べて、記憶障害が特に目立つ場合、数分前の出来事も忘れてしまうような場合は、アルツハイマー型認知症が強く疑われます。
記憶障害の他にも、無関心、意欲の低下が初期の頃から見受けられ、趣味も減少し、社会生活の範囲も狭くなります。認知症の進行に伴って、見当識障害や視空間認知障害、視覚構成障害が加わります。見当識障害は、通常、症状の進行とともに、時、場所、人物の順に障害されていくので、認知症の初期は、時刻や季節などを丁寧に尋ねることが大切です。
アルツハイマー型認知症では、その場しのぎの取り繕いも多くみられます。初めから局所的な神経症状を生じることはあまりありません。物盗られ妄想は比較的早い時期から起こることがあるといわれます。
脳血管性認知症が進むとどうなる?

脳血管性認知症はアルツハイマー型認知症などの変性疾患による認知症とは違い、脳卒中の発作後に発症し、階段状に進行するのが特徴です。知らないうちに発症し、ゆっくりと症状が進行する変性疾患の進み方か、階段状に進行する脳血管性認知症の進み方なのかを観察することが大切です。
ただし、脳卒中の発作との関連性がはっきりせずに、ゆっくりと症状が進む多発性小梗塞、ビンスワンガー病によるものもあることには注意が必要です。脳血管性認知症は、もともと脳梗塞や脳出血の危険因子(高血圧症、糖尿病、高脂血症など)を持っていることが多いといわれます。
症状は多彩ですが、視床梗塞など一部の症例を除いて記憶障害は比較的軽度のことが多いのも特徴のひとつです。幻覚や妄想が起きることはまれで、自発的な活動の低下や無関心が目立つようになります。
レビー小体型認知症が進むとどうなる?
レビー小体型認知症の発症と進行は緩やかで、認知機能障害もアルツハイマー型認知症と似ています。ただ、認知機能の変動が激しいという特徴を持ちます。良好状態では、「本当に認知症なのだろうか?」と思うほど普通に振る舞っているのですが、悪い状態の時には、せん妄が激しくなります。鮮明で生々しい幻視(人、動物、虫など)と誤認妄想(夫を父と間違うなど)が特徴的です。
すでに亡くなっている家族が家の中にいると主張するなど、誤認妄想と幻視が一体となったような精神症状が生じます。自分の家なのに「ここは自分の家ではない」と言ったり、「ここにいる夫は偽物で、本当の夫は他にいる」と言ったりするカプグラ症候群がみられることもあります。
パーキンソン症候が生じることもありますが、その発症のタイミングは、認知機能障害が出現する前のこともあれば出現後のこともあります。寝言や睡眠時の体動(レム睡眠行動障害)が出現することことも多いといわれます。抗精神病薬を始めとする各種薬剤に過敏性があるので、薬物療法を行う際には、事前にアルツハイマー型認知症ではないことを確認しておくことが大切です。
前頭側頭葉変性症が進むとどうなる?
前頭側頭葉変性症の発症と進行は緩やかで、その多くは初老期に発症するといわれます。脳の前頭葉と側頭葉前方部に病変が片寄る前頭側頭型認知症(FTD)では、発症初期から人格変化や行動障害が目立ちます。側頭葉の前方に病変のある意味性認知症(SD)やシルビウス裂周囲に病変のある進行性非流暢性失語では、発症初期から失語症状が目立ちます。
前頭側頭型認知症と意味性認知症は、常同行動(家の中を歩きだしたり、机の上をたたき出したり、足をバタバタさせたりといった行動)や食行動異常(過食・嗜好の変化・常同的食行動)といった共通の行動障害が生じます。その一方で、発症初期には記憶障害や視空間認知障害は目立ちません。幻覚や妄想もほとんどありません。
アルツハイマー型認知症の経過
認知症の中で最も発症率が高いアルツハイマー型認知症の経過について、さらに詳しく検討してみます。アルツハイマー型認知症は一般的に進行が緩やかで、老人斑が現れてから約20年後に発症します。経過は初期、中期、後期に分けることが出来ます。
初期
初期では近時記憶障害、日常行為の手順がわからなくなる実行機能障害、日時がわからなくなる時間の見当識障害、判断力障害が現れます。周辺症状として、やる気や自発性が低下するアパシー、取り繕い反応、物盗られ妄想なども現れます。
中期
中期になると、遠隔記憶障害、今いる場所や相手がわからなくなる「場所・人物の見当識障害」、失認・失行・失語などの高次脳機能障害が現れます。周辺症状では、鏡に映った姿を自分であることを認識できずに話しかける鏡徴候、徘徊、迷子、興奮、多動などといった症状が現れます。
後期
後期になると、全般的な記憶障害、人格の変化、寝たきりで行動や発話がない失外套症候群(しつがいとうしょうこうぐん)に加え、便を触るなどの不潔行為が周辺症状として現れます。その後、寝たきりとなり、多くは肺炎で死に至ります。
中核症状と周辺症状
認知症の症状は、中核症状と周辺症状のふたつに分類することができます。中核症状とは、脳の器質的な障害によって現れる症状で、認知症では必ずいずれかの症状がみられます。ただし、軽度で目立たない場合や、周辺症状の前景化によって気付きにくいこともあります。代表的な中核症状は、出来事や経験を忘れてしまう「記憶障害」です。
記憶障害は、アルツハイマー型認知症のほぼ全ての人で認められ、認知症の進行とともに悪化していきます。この他にも、日時や場所を把握することが出来なくなる「見当識障害」、物事を計画的に実行するのが困難になる「実行機能障害」などがあり、認知症の種類によって症状は異なります。
周辺症状は、中核症状に付随して起きる二次的な症状のことで、行動症状と心理症状に分けることができます。うつ、アパシー、徘徊などがあり、これらは行動・心理症状あるいはBPSDと呼ばれます。周辺症状の場合は、中核症状と違って認知症になると必ず症状が現れるというわけではありませんが、症状によっては介護者に強いストレスがかかる場合があります。
前頭側頭型認知症で起きる暴言や暴力は、その代表的な例です。この症状が起きる原因は、神経伝達物質の異常などによって、エネルギーが過剰・過活動になるためだといわれています。また、アルツハイマー型認知症では、徘徊や迷子の他、自分で片づけたものを他人に盗まれたと思い込む「物盗られ妄想」も多発します。
認知症と関係が深い脳のゴミ
成人の脳では、1日に約7gのタンパク質のゴミが作られています。このゴミは、適切に排泄されないと脳に蓄積し、健康を損なう可能性が高いといわれています。認知症の原因物質として疑われるアミロイドβ(ベータ)も脳で生じるゴミの一種です。
通常、これらのゴミはグリンパティックシステムと呼ばれる脳のクリーニングシステムによって処理されていますが、ここに何らかのトラブルが生じるとゴミは脳に蓄積されることになります。「脳に溜まったゴミをいかに排泄するか?」これが認知症を進ませないためのポイントになると考えられます。
脳のゴミの行方
一般に、人間の体で生じたゴミは腎臓や肝臓で処理され、体外へ排泄されます。その過程では、体中に張り巡らされたリンパ系が様々な組織で生じたゴミを回収し、細い導管→太い導管→血管の順に流れ込み、ゴミを腎臓や肝臓へと運び込むのです。かつて、脳にはリンパ系のようなゴミを回収する仕組みは存在せず、脳で生じたゴミは全て脳内で処理されると考えられていました。
しかし、近年の研究によって脳にもゴミを回収する仕組みが備わっていることが発見されました。この仕組みを「グリンパティックシステム」といいます。脳の血管は「血管周囲腔(けっかんしゅういくう)」に囲まれ、両者の間には脳脊髄液(のうせきずいえき)という液体が流れています。血管周囲腔の外側は「アストロサイト」と呼ばれる支持細胞とつながっています。
脳で生じたゴミは脳脊髄液中に排泄され、アストロサイトを通じて静脈内に送られて腎臓や肝臓で処理されることがわかっています。認知症の脳内では、グリンパティックシステムが正常に機能せずにアミロイドβという脳のゴミが蓄積し、記憶が失われていくのではないかといわれています。
最新科学によって発見されたグリンパティックシステム
グリンパティックシステムは、近年になって明らかにされた脳のゴミ処理システムです。しかし、この存在は以前より予見され、時折、脳で生じたゴミの排泄ルートである脳脊髄液の流れ方に異変が起きることに気付いた医師がいます。
この医師は、脳脊髄液の流れに異常が生じると記憶力・集中力の低下、頭痛、無気力、慢性疲労など様々な現象が起きることを発見し、さらに、外部からの手指刺激を用いた脳脊髄液の流動調整によって、これらの症状が治癒することを見出だしました。この手法は頭蓋仙骨療法(とうがいせんこつりょうほう)と呼ばれ、まさにグリンパティックシステムの正常化を目指す手法と考えられます。
グリンパティックシステムの研究には、脳における水の出入り口となる「アクアポリン4」というタンパク質の発見が重要な役割を果たしましたが、アクアポリン4の働きを証明するためには脳内の水の動きを生きたまま可視化する必要がありました。
当時は現在のような高度な顕微鏡技術がなかったため、世の中の人にグリンパティックシステムの存在を広く認知されるのは難しかったのかもしれませんが、頭蓋仙骨療法における脳脊髄液の流動システムの考え方は、まさしくグリンパティックシステムそのものです。
認知症対策「漢方薬アロマタッチ」
私たちは、この手法をさらに進化させ、脳に働きかける漢方薬、大きなリラックス効果を生むメディカルアロマシャワー、温泉療法を頭蓋仙骨療法と融合し、様々な角度から脳を活性化させることを目指した「漢方薬アロマタッチ」を開発いたしました。
漢方薬、メディカルアロマ、頭蓋仙骨療法、温泉療法をそれぞれ単独で用いるのではなく、全てを同時に行うことに私たちは大きな意義を見出しています。漢方薬アロマタッチでは漢方薬を必要とするため、薬剤師の資格と医薬品の取り扱い許可が必要です。また、メディカルアロマシャワーの実践には美容師の資格と美容所の許可が必要です。
私たちは、これら全ての資格と許可を所有し、みなさまに安心してご利用いただける環境を整えています。漢方薬アロマタッチは、既成概念にとらわれず、何とか認知症のお悩みを解決する方法はないかと模索した結果、ようやく辿り着いた手法です。漢方薬アロマタッチが目指すのは快適な日常生活を取り戻すことです。認知症対策のひとつとしてお考えいただければ幸いです。
このページは医薬関係者への情報提供を目的としています。
薬剤師・美容師の資格を所有しています。幼少時より自然食品を中心とした生活を送る中で食事の大切さを学び、その後、漢方薬を学びました。日々、苦痛が少なく効果が大きい健康法の開拓に努めています。