線維筋痛症「体の痛みと疲労の回復···鍵となるのは脳のクリーニング!」

線維筋痛症は体の様々な場所に痛みを生じる病気ですが、それとともに体の疲労を訴える比率が非常に高い病気ともいわれています。もしかすると、この現象には脳が深く関係しているかもしれません。「体の疲れは脳から生じる?!」ちょっと意外に思われるかもしれませんが、それほど可能性の低い話でもないのです。脳細胞は体の中でもエネルギー消費が特に高い部位で、体が消費するエネルギーの20~25%を占めています。そして、その過程では毎日約7gのタンパク質のゴミが生成され、「グリンパティックシステム」と呼ばれる仕組みによって処理されているのです。この仕組みは主に睡眠中に活性化されるといわれ、質の良い睡眠が取れない日々が続くとゴミが脳内に蓄積されていく可能性が高まります。これによって脳のエネルギー効率が低下し、本来は体で使われるはずのエネルギーが脳に回され、体がエネルギー不足に陥ってしまうと考えられるのです。
体のゴミは、どう処理される?

この問題を解決するためには、脳で生じるゴミの適切な処理、すなわちグリンパティックシステムの活性化が有効であると考えられます。私たちの体の大部分において、老廃物(タンパク質のゴミ)の排泄は複雑な導管ネットワークであるリンパ系が行っています。体の様々な組織で生じた老廃物は体液によって運ばれ、細胞間をめぐるリンパ系を通って細い導管へと流れ込みます。同様にして、細い導管が次々と集まることによって導管はどんどんと太くなり、最終的には血管に集められ、腎臓で濾過(ろか)されるか、肝臓で処理されることになります。このような仕組みは、これまで長年に亘って脳や脊髄(せきずい)には存在しないと考えられてきました。当時は、脳で生じた老廃物は脳内で処理されるとするのが一般的でした。しかし、近年発表された研究結果によって、この考えは一変しました。
脳をキレイにする仕組み

脳の血管は「血管周囲腔(けっかんしゅういくう)」に取り囲まれています。血管周囲腔の内壁は血管の外壁そのもので、主に内皮細胞や平滑筋細胞でできています。一方、血管周囲腔の外壁は脳と脊髄に特有のもので、「アストロサイト」という特殊な細胞から伸びた突起の終端部でできています。アストロサイトは脳で信号をやり取りしている神経細胞のネットワークで、様々な機能を果たしている支持細胞ですが、そこから伸びた「足突起」が脳と脊髄の動脈や静脈、毛細血管をぐるりと取り囲んでいます。血管周囲腔は、このような血管と足突起との間に形成される管状の組織で、このスペースには障害物がほとんど存在しないため、体液を脳全体に素早く輸送することが可能です。この血管周囲腔には「脳脊髄液(のうせきずいえき)」という無色透明の液体が流れていますが、その一部は動脈周囲腔から足突起を通ってアストロサイトに流れ込みます。そして、細胞間を通り抜け、静脈周囲腔に流入して脳から老廃物を排出します。その後、他の器官から排出された老廃物と混ざり合って、腎臓や肝臓へと送り込まれます。このような仕組みで脳は効率的にクリーニングされていることが近年の研究によって解明され、グリンパティックシステムと名付けられました。
働きながら体の痛みと疲労から脱却するための秘策

私たちは、このグリンパティックシステムの活性化を目指して「漢方薬アロマタッチ」の開発に着手しました。グリンパティックシステムは最新の顕微鏡技術を使用することによって明らかにされましたが、過去にも脳手術を手がける中でグリンパティックシステムの存在を認識し、脳脊髄液の流れと様々な病気との関連性を示唆する医師がいました。彼は、この認識に基づき、外部から頭蓋骨への手指刺激を行うことによって脳脊髄液の流れを正常化させる「頭蓋仙骨療法(とうがいせんこつりょうほう)」という手法を用いて病を治したといいます。線維筋痛症、神経障害性疼痛、慢性頭痛といった慢性疼痛や関節炎、不眠症、うつ病の他、様々な病気の治療に効果を発揮したといわれます。漢方薬アロマタッチは、この手法を進化させたもので、様々な角度から痛みの本質にアプローチする漢方薬とリラックス作用を飛躍的に高めるメディカルアロマシャワーを頭蓋仙骨療法に融合したメディカルアロマ頭部浴です。私たちは、漢方薬アロマタッチを用いて線維筋痛症の様々な症状改善に努めています。この病気は一般的な鎮痛剤(NSAIDs)が効きにくいという特徴を持ち、脳へのアプローチが重要なのではないかと考えられます。漢方薬、メディカルアロマ、頭蓋仙骨療法をそれぞれ単独に用いるのではなく、これらを同時に行うことに対して私たちは大きな意義を見出しています。法律上、漢方薬を使用するためには薬剤師の資格と医薬品取り扱い許可が必要とされます。また、メディカルアロマシャワーを使用するためには美容師の資格と美容所の許可が必要です。私たちは、このすべての条件をクリアし、漢方薬アロマタッチの開発に成功いたしました。既成概念にとらわれず、何とか体の痛みや疲労のお悩みを解決する方法はないかと模索した結果、ようやく辿り着いた結論です。漢方薬アロマタッチは「体に力が湧いてくる」という独特の特長を持っているため、なかなか良くならない体の痛みや疲労からの脱却、特に働きながら回復を目指す方におすすめの手法です。
薬剤師・美容師の資格を所有しています。幼少時より自然食品を中心とした生活を送る中で食事の大切さを学び、その後、漢方薬を学びました。日々、苦痛が少なく効果が大きい健康法の開拓に努めています。