アルツハイマー型認知症の進行と漢方薬アロマタッチによる対応策

アルツハイマー型認知症の進行

アルツハイマー型認知症では、記憶障害などの高次脳機能が徐々に失われていき、進行すると自立した生活が困難になります。ここでは、臨床認知症尺度(Clinical Dementia Rating ; CDR)にしたがってアルツハイマー型認知症の重症度を5段階に分けて経過を辿ります。

正常状態

正常状態においては、もちろん記憶障害はありませんが、軽度の断続的な物忘れが生じることもあります。見当識障害はみられず、日常生活や仕事上の問題を解決することができます。また、金銭の管理も良好で、過去の実績と比較しても変わらずに優れた判断力を示します。

地域社会の面では、仕事、買い物、ボランティア、社会集団において、通常レベルで自立して機能することができます。家での生活、趣味、知的関心が十分に保持され、介護を全く必要といたしません。

軽度認知障害(MCI )への進行

軽度認知障害(MCI )に進行すると軽い物忘れが頻繁に起き、出来事を部分的に思い出す「良性健忘」が生じるようになります。見当識の面では時間の進行において軽度の困難さが生じ始めますが、それ以外の障害はありません。

一方、問題解決能力や類似点・相違点の判断力においては、軽度の障害が認められるようになります。仕事、買い物、ボランティア、社会集団での活動にも軽度の障害が出始め、家庭生活、趣味、知的関心も薄れてきますが、介護は必要ではありません。

軽度のアルツハイマー型認知症への進行

軽度のアルツハイマー型認知症に進行すると、中等度の記憶障害により日常生活に支障が生じるようになります。特に、最近起こった出来事に対する記憶に障害が出始めます。時間の進行における見当識にも中程度の障害が出ます。検査の場所における見当識は良好ですが、他の場所では地誌的見当識に障害が起きることがあります。

問題解決能力や類似点・相違点の判断力に中程度の障害が認められるようになりますが、通常、社会的判断は保持されます。また、仕事、買い物、ボランティア、社会集団での活動には関わっていても自立して機能できません。家庭生活の面では、軽度でも確実な障害がみられ、家事は複雑なことはできず、複雑なものに対する関心や趣味もなくなり、介護が奨励される段階です。

中等度のアルツハイマー型認知症への進行

中等度のアルツハイマー型認知症に進行すると、重度の記憶障害が生じ始め、記憶として保持できるのは過去に十分学習したことのみで、新しいことは急速に記憶から消失します。一般的に、時間的見当識障害が現れ、地誌的見当識障害もよく見られるようになります。問題解決能力や類似点・相違点の判断力に重度の障害が認められるようになります。

多くの場合、社会的判断力も障害されます。この段階になると家庭外で自立することはできないのですが、第三者の目には活動可能に見えるという特徴があります。家事は非常に簡単なことができるだけで、物事への関心も限定されたものに対してのみとなります。介護の面では、着衣、衛生管理など身の周りのことに介助が必要となります。

重度のアルツハイマー型認知症への進行

重度のアルツハイマー型認知症に進行すると、より重度の記憶障害が生じるようになり、記憶は断片的なものが残っているだけになります。この段階に至ると、時間や場所への見当識、問題解決能力、判断力が失われ、自宅外へ連れ出して生活することは不可能となります。

家庭内でも意味のある生活活動は困難になり、日常生活に対する十分な介護が必要とされ、失禁症状も頻繁に現れるようになります。一方で、人物への見当識は保たれるという特徴を持ちます。

進行が止まり、認知機能が正常化するケースも

軽度認知障害と診断されても全員が認知症を発症するとは限りません。軽度認知障害が進行して認知症を発症する人の割合は、年間5~15%と報告されています。反対に、進行が止まって認知機能が元に戻り、検査で正常と診断される人の割合は年間14~44%といわれています。

認知機能が元に戻るのは、脳には可塑性と呼ばれる回復能力が備わっているためです。神経細胞のネットワークは常に変化し続け、仮にある部分が損傷を受けて使えなくなっても他のネットワークに切り替えることが可能なのです。

脳では1日当たり7gのゴミが溜まるといわれ、これが認知症と深い関係があることがわかってきました。私たちは、脳のゴミの排泄調整を行う頭蓋仙骨療法、漢方薬、アロマシャワー、温泉療法を融合した漢方薬アロマタッチを行うことによって、快適な日常生活を送ることができるようになるサポートをいたします。認知症への対応策のひとつとしてお考えいただければ幸いです。

このページは医薬関係者への情報提供を目的としています。