線維筋痛症の「ガラスの破片が流れているような痛み」に漢方薬+α

線維筋痛症の最も大きな特徴のひとつが慢性疼痛です。線維筋痛症には様々な痛み方があるといわれますが、その中で「ガラスの破片が流れているような痛み」「刺すような痛み」と表現される痛みに悩まれている方が多いといいます。このタイプの痛みの特徴と原因を探り、漢方薬を使用した治療法のひとつをご紹介いたします。

ガラスの破片が流れているような痛みの原因は?

漢方では病気と気候変化との間に深い結び付きがあると考え、病気を引き起こす要因を風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・火邪という六つの気候要素に分けています。この中で、風邪・寒邪・湿邪の3要因によって気血の流れが滞り、筋肉や関節の運動に支障をきたす場合があります。なかでも、寒邪がメインとなる病態は「寒痺」と呼ばれ、ガラスの破片が流れているような痛みを伴います。漢⽅における疼痛の基本認識は「不通則痛(通ぜざれば則ち痛む)」とされています。つまり、通常はスムーズに動いている体内環境のバランスが乱れ、体のどこかで詰まりが生じた時に痛みが発生するという考えです。寒痺では気血の流れが塞がれて強い痛みを生じます。血流の停滞によって瘀血(おけつ)という血の滞りができる結果、さらに流れが阻害されてガラスの破片が流れているような痛みが生じます。寒邪は体の保温力を奪い、体に冷えをもたらします。特に、局部が冷たく感じられます。痛みは冷気に当たると強くなり、温めると一時的に和らぎます。さらに、寒邪は体を緊張させて縮み込ませるという性質を持ち、関節に定着して運動機能を妨害するため、関節の曲げ伸ばしが困難になります。また、痛みは夜間に激しくなるという特徴を合わせ持ちます。

漢方薬で線維筋痛症の痛みを鎮める

私たちが使用する漢方薬は、様々な効果を持つ生薬を組み合わせることによって、お互いの生薬のメリットを増大させ、デメリットを減少させるという特長を持っています。この特長を活かして線維筋痛症の痛みを鎮めます。「ガラスの破片が流れるような痛み」「刺すような痛み」に対して、よく使用する生薬のひとつが桂枝です。桂枝には血管拡張作用があり、血行を促進して体を温め、痛みを鎮めます。風邪・寒邪・湿邪による痺れるような痛み、冷え、むくみ、運動障害などにも有効です。この他、頭痛や腹痛にも使用されます。そして、芍薬も使用頻度の高い生薬です。「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と美人の形容表現にも出てくる植物ですが、漢方では様々な疼痛に使用される大切な生薬です。特に、関節痛、筋肉痛には高い効果を示すといわれ、線維筋痛症の漢方薬に配合する機会も多い生薬です。さらに、附子も有効な生薬のひとつです。疼痛には急性痛と慢性痛があります。急性痛は主に末梢の痛みで、鎮痛剤で神経の伝達をブロックすることによって一時的に痛みは感じなくなります。一方、線維筋痛症のような慢性痛では鎮痛剤が効きにくいケースが多いといわれます。鎮痛剤は、痛みが生じている部分の信号をブロックする薬ですが、慢性痛は、もっと脳に近い部分での異常が痛みに関与しているのではないかと考えられています。附子は、脳の血管や神経細胞の結合部分を覆っているアストロサイトという細胞に働きかけ、鎮痛作用をもたらすといわれます。

アストロサイトが線維筋痛症対策のカギを握る

私たちは、このアストロサイトに注目しています。アストロサイトは、神経細胞に栄養を与えたり、過剰なイオンや神経伝達物質を速やかに取り除いたりすることによって神経細胞が正常に働けるような環境づくりをしている細胞ですが、その他にも脳で生じたゴミを捨てる役割を担っています。1日に約7gずつ生じるという脳のゴミは、静脈へ流れ込む脳脊髄液中に排泄されますが、この流れが滞ると体に様々な不具合が起きるといわれます。これを改善する方法として考えられたのが頭蓋仙骨療法です。手指で頭部を優しく刺激することによって、乱れた脳脊髄液の流れを正常化し、体のコンディションを整えます。脳と体のデトックスといえるかもしれません。この手法によって、線維筋痛症、神経障害性疼痛、慢性頭痛などの慢性疼痛や関節炎、不眠症、うつ病の他、様々な病に苦しむ人々が救われたといいます。

メディカルアロマシャワーが脳へ迅速アプローチ

また、脳への迅速なアプローチという点からメディカルアロマシャワーの活用は欠かせません。精油の香り分子は嗅覚受容体に結合し、電気信号として瞬時に脳へと伝わります。脳内の神経ネットワークは複雑に張り巡らされているため、仮に一部の回路に障害があっても、香り分子の情報は別の回路を辿って正常に伝達されるといわれます。そして、精油の吸収には皮膚を介する経路も存在します。炎症を鎮めるためには、皮膚からの吸収が有効といわれます。これを実践するのがメディカルアロマシャワーです。線維筋痛症の痛みには、ベルガモット、レモン、プチグレン、ローズマリー、バジル、ユーカリ、ラバンジン、ペパーミント、ティートリーなどの精油を使用します。疼痛刺激による実験では、これらの精油に含有する成分がモルヒネの鎮痛作用に匹敵する効果が得られたため、オピオイド受容体に作用するのではないかと予想されています。

線維筋痛症への温泉効果

さらに、私たちは療養泉として有名な鳥取県の三朝温泉、秋田県の玉川温泉の天然鉱石にも線維筋痛症の痛みを鎮める効果があるのではないかと考えています。三朝温泉には、痛みの緩和、ストレス軽減、精神的リラックス、生活習慣病・老化の抑制、皮膚バリア機能の改善などの効果があるといいます。玉川温泉には、リウマチなどの神経系疾患、高血圧・動脈硬化などの循環器系疾患、貧血や白血球減少症、皮膚病などに対する効能があり、さらに、免疫力・抗菌力の増強、細胞の活発化と若返り効果があるといいます。このような効能効果の源は、これらの地に昔から存在する天然鉱石が持つパワーにあるのではないかといわれます。そこで、私たちは、この天然鉱石を線維筋痛症の痛みの改善に活用したいと考えています。

漢方薬+αは自然の結晶

線維筋痛症は、一般的な検査では異常が見つからず、さらに、体の痛み方も様々で、ひとつの治療法で治すのは、なかなか難しいのではないかと考えられます。「ガラスの破片が流れるような痛み」「刺すような痛み」の場合、私たちは、メディカルアロマシャワーや天然鉱石によって体を温めてリラックス状態を作り、頭蓋仙骨療法によって脳と体のデトックスシステムを活性化し、キレイな体内環境を整えます。そこへ効果的に漢方薬を働かせ、複合的に痛みを鎮めます。このように自然の力を集約し、本来の健康を取り戻すために私たちが開発したのがメディカルアロマ頭部浴・脚部浴です。ひとりでも多くの方が線維筋痛症のお悩みから解放されることを心よりお祈りしています。