レビー小体型認知症の幻聴・幻視と漢方薬アロマタッチによる対応策

レビー小体型認知症 幻聴

レビー小体型認知症とは

レビー小体とは、1912年にドイツ人医師レビーが、パーキンソン病の脳から発見した異常構造物です。パーキンソン病は脳の変性疾患のひとつで、レビー小体は長い間パーキンソン病特有の病理所見であると考えられていました。

しかし、1976年に日本の小阪憲司氏が、歩行障害などのパーキンソン病の主症状(パーキンソニズム)と認知症を合併する症例で、レビー小体が出現していることを報告しました。これによって、1996年にレビー小体型認知症として国際的な診断基準が確立されました。

レビー小体型認知症の幻聴・幻視

認知症の初期から中期にかけて多く出現する症状として幻覚が挙げられます。幻覚は、聞こえないはずのものが聞こえる幻聴と、現実にはないものが見える幻視に分けることが出来ます。レビー小体型認知症では、約8割に幻覚と関連する症状がみられます。

幻覚には、人物の幻視、動物・虫の幻視、実態意識性、物体の幻視などがありますが、最も多いのは人物の幻視で、「赤いTシャツを着て半ズボンを穿いた男の子と麦わら帽子を被った白いワンピースの女の人がいる」など、リアルで具体的なのが特徴的です。

また、壁のシミが人間の顔に見えるといった誤認も多くみられます。誤認は、外部刺激に対する知覚錯誤とそれに伴う妄想によるもので、知覚対象があるという点で幻覚とは異なります。

レビー小体型認知症の中核症状

中核症状とは、脳の器質的な障害によって現れる症状で、認知症では必ずいずれかの症状がみられます。ただし、軽度で目立たない場合や、周辺症状の前景化によって気付きにくいこともあります。レビー小体型認知症の重要な手掛かりとなる中核症状として、繰り返し現れる幻視が挙げられます。子供や小動物、虫などがリアルに何度も出現します。

また、家の中に他人がいるという妄想や、夫や妻が偽物であるという妄想も多いといわれます。脳幹に障害が及ぶとパーキンソニズムも現れるようになります。ただし、パーキンソン病に多い振戦(手足の震え)が起きることは少なく、筋肉がこわばったり(固縮)、運動量が減って動作が遅くなったり(無動)という症状が中心となります。

筋肉にこわばりが生じると、他人が関節を動かすときに抵抗を感じます。特に、動かし始めたときに大きな抵抗が現れやすいといわれます。無動の場合は、動作が緩慢になり、瞬きが減少するとともに表情が乏しくなります 。レビー小体型認知症では、記憶障害は比較的軽く、初期にはないこともあります。

レビー小体型認知症の進行

幻視、記憶障害、パーキンソニズムの3大症状を軸として多様な症状が現れます。症状の現れ方には個人差があります。

初期に現れる幻視

初期には、「知らない子供が家の中にいる」、「そこに猫がいる」といった人間、小動物、虫などのリアルな幻視が繰り返し現れます。幻視に反応した行動や妄想も現れてきます。このように、レビー小体型認知症で現れる幻視は、具体的で系統化されているという特徴を持ちます。

中期に現れる視覚失認

アルツハイマー型認知症に比べて、初期に現れるレビー小体型認知症の記憶障害は軽いのですが、空間の中の物の形や配置を正しく認識できない「視覚失認」という症状が中期になると現れてきます。これによって、人物を認識できずに人と目を合わせないことが多いといわれます。

後期に現れるパーキンソニズム

後期になると、四肢の筋肉がこわばる固縮が起きるようになります。さらに、運動量が減り、動作が遅くなる無動も生じ始めます。転んで怪我をしないよう注意しなければいけません。進行すると、歩行が困難になり、寝たきり状態に陥ります。

認知症の原因物質を排泄

成人の脳では、1日に約7gのタンパク質のゴミが作られています。この脳のゴミが適切に排泄されずに脳に蓄積すると、健康を損なう可能性が高まるといわれています。認知症の原因物質として疑われるアミロイドβも脳で生じるゴミの一種です。

通常、この種のゴミはグリンパティックシステムと呼ばれる脳のクリーニングシステムによって処理されていますが、ここに何らかのトラブルが生じるとゴミは脳に蓄積されることになります。最新の研究では脳のゴミの蓄積が認知症と深い関わりを持っているといわれます。このことからも脳のゴミを適切に排泄することは、有効な認知症対策であると考えられます。

認知症の原因物質が排泄される仕組み

私たちは食べ物から栄養を摂取し、体にとって不要なものをゴミの種類として排泄します。一般に、私たちの体内で生じたゴミ(不要な物質)は腎臓や肝臓で処理されて体外へ排泄されます。その過程では、リンパ系が大切な役割を果たします。体中に張り巡らされたリンパ系が様々な種類のゴミを回収し、細い導管→太い導管→血管の順に流し込み、腎臓や肝臓へと運搬します。

では、脳で生じるゴミはどうでしょうか?昔は、「脳は特別な組織で、脳で生じるゴミは脳内で全て処理されている」と考えられていました。しかし、近年の研究によって脳にもゴミを回収する仕組みが備わっていることが明らかになりました。脳の血管は「血管周囲腔(けっかんしゅういくう)」に囲まれています。血管周囲腔内には脳脊髄液(のうせきずいえき)という液体が流れ、その外側は「アストロサイト」という支持細胞とつながっています。

脳で生じたゴミは脳脊髄液中に流れ込み、アストロサイトを通じて静脈内に送られて腎臓や肝臓で処理されます。この仕組みを「グリンパティックシステム」といいます。認知症の人の脳ではグリンパティックシステムが正常に機能することができずに、認知症の原因物質といわれるアミロイドβやタウタンパクなどの脳のゴミが脳内に蓄積し、記憶が失われていくのではないかといわれています。

脳のデトックスシステムを活性化する治療法

グリンパティックシステムは、近年になって明らかにされた脳のデトックスシステムです。しかし、この存在は以前より予見され、手術中に、時折、脳で生じたゴミの排泄ルートである脳脊髄液の流れ方に異変が起きることに気付いた医師がいます。

この医師は、脳脊髄液の流れに異常が生じると記憶力・集中力の低下、頭痛、無気力、慢性疲労など様々な現象が起きることを発見し、さらに、外部からの手指刺激を用いた脳脊髄液の流動調整によって、これらの症状が治癒することを見出だしました。この手法は頭蓋仙骨療法(とうがいせんこつりょうほう)と呼ばれますが、頭蓋仙骨療法はグリンパティックシステムの正常化を目指す手法と考えることができます。

グリンパティックシステムの研究には、脳における水の出入り口となる「アクアポリン4」というタンパク質の発見が重要な役割を果たしましたが、アクアポリン4の働きを証明するためには脳内における水の動きを生きたまま可視化する必要がありました。当時は現在のような高度な顕微鏡技術がなかったため、多くの人々にグリンパティックシステムの存在を知ってもらうことは難しかったのかもしれませんが、頭蓋仙骨療法における脳脊髄液の流動システムの考え方は、まさしくグリンパティックシステムそのものです。

快適な日常生活を目指す漢方薬アロマタッチ

私たちは、この手法をさらに進化させ、脳に働きかける漢方薬、大きなリラックス効果を生むメディカルアロマシャワー、様々な効能を持つ温泉療法を頭蓋仙骨療法と融合し、あらゆる角度から脳の活性化を目指す「漢方薬アロマタッチ」を開発いたしました。

漢方薬、メディカルアロマ、温泉療法、頭蓋仙骨療法をそれぞれ単独で用いるのではなく、これら全てを同時に行うことに私たちは大きな意義を見出しています。漢方薬アロマタッチでは漢方薬の使用が必要とされるため、薬剤師の資格と医薬品の取り扱い許可が必要です。また、メディカルアロマシャワーの実践には美容師の資格と美容所の許可が必要です。

私たちは、これら全ての資格と許可を所有し、みなさまに安心してご利用いただける環境を整えています。漢方薬アロマタッチは、既成概念にとらわれず、何とか認知症のお悩みを解決する方法はないかと模索した結果、ようやく辿り着いた手法です。漢方薬アロマタッチが目指すのは快適な日常生活を取り戻していただくことです。

漢方薬アロマタッチによって、同じことを繰り返し質問することがなくなった、気持ちが穏やかになり、暴言がなくなったという報告を受けています。認知症対策のひとつとしてお考えいただければ幸いです。

このページは医薬関係者への情報提供を目的としています。