認知症になりにくい食べ物と漢方薬アロマタッチの予防効果

認知症になりにくい食べ物とは、カロテノイド、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール類などの抗酸化力を持つもの、ミネラルを豊富に含むものを過不足なく摂取できる食事なのではないでしょうか?また、脳のゴミを排泄するのも大切なことであると考えられます。
認知症になりにくい食べ物とは
認知症になると脳内でアミロイドβやタウタンパクなどの脳のゴミが異常に蓄積されることがわかっています。これが神経細胞を破壊することによって認知症を発症するのではないかといわれています。脳のゴミの異常蓄積に活性酸素は深く関与しているとの報告があり、余分な活性酸素を除去する食事が認知症になりにくい食べ物なのではないかと考えられます。
カロテノイドが豊富な緑黄色野菜、アスタキサンチンを含有する蟹、海老、鮭
認知症になりにくい食べ物のひとつとして挙げられるのがカロテノイドを多く含む食べ物です。カロテノイドは、天然に存在する色素で、主に野菜や果実などに含まれる黄色・橙色・赤色の色素成分の総称です。β‐カロテンなどは吸収されて体内でビタミンAに変わります。β‐カロテン、リコピン、ルテインには、ガンや老化などの予防効果が期待されます。
カロテノイドは基本的に緑黄色野菜に多く含まれますが、アスタキサンチンは、カニ、エビ、サケなど一部の魚介類にも含有される赤色色素です。他のカロテノイドに比べてより強い活性酸素除去作用を持つといわれ、認知症予防にも期待が持てます。カロテノイドは油溶性のため、油を使った調理方法で食べると体内に吸収されやすくなります。
ビタミンCが多いパプリカ・パセリ・ブロッコリー・キウイフルーツ・いちご・みかん
ビタミンCの多いものも認知症になりにくい食べ物のひとつと言えるでしょう。水溶性ビタミンのひとつでアスコルビン酸とも呼ばれます。ビタミンCは、生体内の総タンパク質の3割を占めるコラーゲンの合成を担い、丈夫な血管・骨・軟骨組織・皮膚などをつくるために不可欠な栄養素です。
野菜類(パプリカ・パセリ・ブロッコリー・青菜類など)、果物類(キウイフルーツ・いちご・かんきつ類など)、芋類などに多く含まれています。免疫力を高め、細菌やウイルスに対する抵抗力を強化する役割を持つほか、活性酸素の働きを抑える抗酸化作用、メラニンの生成を抑えて皮膚の色素沈着の予防、鉄分の吸収を助けて貧血の予防、動脈硬化症などの各種生活習慣病の予防、ガン予防などにも効果が期待されます。
ひまわり油・やし油・べに花油・ごま・アーモンド・ピーナッツなどに含まれるビタミンE
カロテノイドやビタミンCとともに認知症になりにくい食べ物として考えられるのがビタミンEを豊富に含む食べ物です。ビタミンCが水様性なのに対し、ビタミンEは油溶性です。ビタミンEの代表的な働きは高い抗酸化作用で、これによって有害な活性酸素を除去し、細胞膜を保護するとともに、脂質が酸化されてできる過酸化脂質の生成も予防します。
過酸化脂質は内臓や血管など全身に沈着し、認知症、老化、動脈硬化、生活習慣病を招くとされており、ビタミンEは、これらの予防に効果を発揮します。さらに血行を改善する働きや肌のシミや冷え症を予防する働きもあります。植物油(ひまわり油・やし油・べに花油など)、種実類(ごま・アーモンド・ピーナッツなど)に豊富に含まれており、食事として緑黄色野菜を炒めて食べると他のビタミン類も同時に摂れて効果的です。
赤ワイン、チョコレート、コーヒー、緑茶、納豆などのポリフェノール類
ポリフェノール類を豊富に含む食べ物を摂ることも、認知症の予防に対する効果が期待されます。ポリフェノールは、植物において光合成によって生成される色素や苦味成分で、褐変反応の原因物質として知られています。食事では、赤ワイン、果物類、カカオマス、緑茶、煎茶、納豆などから摂取することができます。
果物の場合、皮にもポリフェノールが豊富に含まれているため、皮ごと食べるのがお勧めです。コーヒーやお茶は、ペットボトルで販売しているものより淹れたての方がポリフェノールを多く含んでいます。ポリフェノールの種類は約300にもおよび、強力な抗酸化作用によって体に弊害をもたらす活性酸素を除去する働きを持っているため、認知症予防に効果的であると考えられます。
その他、血中コレステロールの上昇予防、肝機能の低下予防、血行促進による肩こり予防、悪玉コレステロールの酸化阻害による動脈硬化・脳血管障害などの予防、発がん物質の活性化抑制などの作用があるとされています。
わかめ・のり・昆布・桜えび・うるめいわし・納豆などのミネラル
ミネラル類を豊富に含む食べ物を摂取することも認知症を予防する上で大切であると考えられます。ミネラルは体重の約5%を占める物質で、骨や歯などの骨格を形成し、タンパク質や脂質の構成成分にもなっています。また、血液や体液のpHや浸透圧を正常に保つことに生体機能を調整する働きを持ち、さらに酵素の補助因子やホルモンの成分にもなります。
必要量はわずかなため、ビタミンとともに微量栄養素と呼ばれています。ミネラルは体内で合成できないため、食事や薬、サプリメントなどから摂取する必要があります。ミネラルは適正な量の範囲が狭く、欠乏症や過剰症に注意しなければいけません。また、特定のミネラルだけを多く摂ることによって、他のミネラルとのバランスが崩れ、かえって健康を損なうことも知られています。
従来の食事ではミネラル不足が問題視されることはありませんでしたが、現代の食事ではミネラルバランスが大きく乱れ、多くのミネラル欠乏症が潜伏している可能性があるといわれています。その原因のひとつは食品の精製で、ミネラルを多く含む部分を取り除いていることです。例えば、精製された砂糖に含まれる鉄分は黒砂糖の6.4%、カルシウムに至ってはわずか0.7%です。
また、加工食品も大きな原因のひとつです。濃い味付けをするためにナトリウムの量が過剰になり、食品添加物や清涼飲料水にはリン酸が多く使用されるのでリン過剰の状態に陥ります。カルシウムとリン酸を一緒に摂ることによって吸収されにくいリン酸カルシウムが生成され、カルシウム不足を招きます。
ミネラルバランスとして最もカルシウムの吸収率が高いのがカルシウムとリンとの比率が2対1のときです。しかし、加工食品の摂取が多い現在の食事では、ほぼ1対1.5程度のバランスになっているといわれます。食事で摂取するカルシウムが不足すると、血清中の濃度を一定に保つために骨に蓄えられたカルシウムが溶け出し、骨粗鬆症を引き起こします。
また、ストレスに弱くなり、イライラしたり寝つきが悪くなったりもします。さらに細胞内のカルシウム量が減ると、高血圧、動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病の原因となり、アルツハイマー型認知症の発症率が高まるといわれています。食事で効率良くカルシウムを摂取できる食品は、海藻類(わかめ・のり・昆布など)、魚介類(桜えび・うるめいわしなど)、納豆などです。
ミネラルは、熱には強いのですが水に溶け出しやすいという性質を持つので、茹でるよりも蒸す方が無駄なく摂取することができます。煮込み料理の場合は煮汁もいただくと予防効果が高まります。
認知症になると脳にゴミが溜まる?
成人の脳では、1日に約7gのタンパク質のゴミが作られています。このゴミは、適切に排泄されないと脳に蓄積し、健康を損なう可能性が高いといわれています。認知症の原因物質として疑われるアミロイドβやタウタンパクも脳で生じるゴミの一種です。
通常、これらのゴミはグリンパティックシステムと呼ばれる脳のクリーニングシステムによって処理されていますが、ここに何らかのトラブルが生じるとゴミは脳に蓄積されることになります。もしかすると、認知症になると脳ではゴミが溜まりやすくなるのかもしれません。この脳のゴミを排泄することが認知症になりにくくするための大きなポイントになると考えられます。
脳のゴミが排泄される仕組み
一般に、人間の体で生じたゴミは腎臓や肝臓で処理されて体外へ排泄されます。その過程で、体中に張り巡らされたリンパ系が様々な組織で生じたゴミを回収し、細い導管→太い導管→血管の順に流れ込み、ゴミを腎臓や肝臓へと運び込みます。かつて、脳にはリンパ系のようなゴミを回収する仕組みは存在せず、脳で生じたゴミは全て脳内で処理されると考えられていました。
しかし、近年の研究によって脳にもゴミを回収する仕組みが備わっていることがわかりました。この仕組みを「グリンパティックシステム」といいます。脳の血管は「血管周囲腔(けっかんしゅういくう)」に囲まれています。両者の間には脳脊髄液(のうせきずいえき)という液体が流れ、血管周囲腔の外側は「アストロサイト」と呼ばれる支持細胞とつながっています。
脳で生じたゴミは脳脊髄液中に排泄され、アストロサイトを通じて静脈内に送られて腎臓や肝臓で処理されることがわかっています。認知症の脳内では、グリンパティックシステムが正常に機能せずにアミロイドβやタウタンパクという脳のゴミが蓄積し、記憶が失われていくのではないかといわれています。
脳のゴミの排泄を促進する頭蓋仙骨療法
グリンパティックシステムは、近年になって明らかにされた脳のゴミ処理システムです。しかし、この存在は以前より予見され、手術中に、時折、脳で生じたゴミの排泄ルートである脳脊髄液の流れ方に異変が起きることに気付いた医師がいます。
この医師は、脳脊髄液の流れに異常が生じると記憶力・集中力の低下、頭痛、無気力、慢性疲労など様々な現象が起きることを発見し、さらに、外部からの手指刺激を用いた脳脊髄液の流動調整によって、これらの症状が治癒することを見出だしました。この手法は頭蓋仙骨療法(とうがいせんこつりょうほう)と呼ばれ、まさにグリンパティックシステムの正常化を目指す手法と考えられます。
グリンパティックシステムの研究には、脳における水の出入り口となる「アクアポリン4」というタンパク質の発見が重要な役割を果たしましたが、アクアポリン4の働きを証明するためには脳内の水の動きを生きたまま可視化する必要がありました。
当時は現在のような高度な顕微鏡技術がなかったため、世の中の人にグリンパティックシステムの存在を広く認知されるのは難しかったのかもしれませんが、頭蓋仙骨療法における脳脊髄液の流動システムの考え方は、まさしくグリンパティックシステムそのものです。
認知症になりにくくする可能性を秘めた漢方薬アロマタッチ
私たちは、この手法をさらに進化させ、脳に働きかける漢方薬、大きなリラックス効果を生むメディカルアロマシャワー、温泉療法を頭蓋仙骨療法と融合し、様々な角度から脳を活性化させることを目指した「漢方薬アロマタッチ」を開発いたしました。
漢方薬、メディカルアロマ、頭蓋仙骨療法、温泉療法をそれぞれ単独で用いるのではなく、全てを同時に行うことに私たちは大きな意義を見出しています。漢方薬アロマタッチでは漢方薬を必要とするため、薬剤師の資格と医薬品の取り扱い許可が必要です。また、メディカルアロマシャワーの実践には美容師の資格と美容所の許可が必要です。
私たちは、これら全ての資格と許可を所有し、みなさまに安心してご利用いただける環境を整えています。漢方薬アロマタッチは、既成概念にとらわれず、何とか認知症のお悩みを解決する方法はないかと模索した結果、ようやく辿り着いた手法です。
漢方薬アロマタッチが目指すのは快適な日常生活を取り戻すことです。認知症になりにくくする可能性を秘めた手法のひとつとしてお考えいただければ幸いです。
このページは医薬関係者への情報提供を目的としています。
薬剤師・美容師の資格を所有しています。幼少時より自然食品を中心とした生活を送る中で食事の大切さを学び、その後、漢方薬を学びました。日々、苦痛が少なく効果が大きい健康法の開拓に努めています。