認知症の進行を遅らせる薬と漢方薬アロマタッチによる対応策

認知症 進行 遅らせる

認知症の薬物治療では、進行を遅らせる認知機能改善薬による治療が中心になります。認知機能改善薬はコリンエステラーゼ阻害薬と神経保護薬の2種類に分けられ、併用することによって認知症の進行を遅らせる効果が高まるという報告があり、両者を併用するケースもあります。

認知症の進行を遅らせるコリンエステラーゼ阻害薬

アリセプト(ドネペジル)

アリセプトは、アセチルコリンを分解する酵素であるコリンエステラーゼを可逆的に阻害することによって脳内のアセチルコリンの濃度を上げ、神経細胞の機能を活性化する薬です。「落ち着きがみられ、物忘れが少なくなる」「物事の手順を考えられるようになる」「家族を他人と間違えることが少なくなる」「物事を思い出すまでの時間が短くなる」などの効果がみられます。

この薬によって認知症の進行を遅らせ、10ヶ月前後は症状を維持できるといわれます。また、軽度から高度に至るアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行を遅らせる効果が認められ、重症度に関係なく使用されます。

レミニール(ガランタミン)

レミニールは、海外では、錠剤と内用液がアメリカ、フランス、イギリス、ドイツを含む73の国と地域で承認されている軽度から中等度のアルツハイマー型認知症の薬です。

レミニールもアリセプトと同様に、アセチルコリンを分解する酵素であるコリンエステラーゼを阻害することによって脳内のアセチルコリン濃度を上昇させる薬ですが、さらにニコチン性アセチルコリン受容体に対するAPL作用により脳内コリン機能を増強させることにより、アルツハイマー型認知症における記憶障害の進行を遅らせることが期待できる薬です。

APL 作用とは、ニコチン性アセチルコリン受容体において、レミニールがアセチルコリンとは異なる部位(アロステリック部位)に結合し、アセチルコリンが受容体に結合した際の薬の働きを増強させる作用のことです。

リバスチグミン(リバスタッチパッチ、イクセロンパッチ)

リバスチグミンは、ノバルティスファーマ社(旧サンド社)で創製された1日1回貼付することで効果を示す経皮吸収型製剤(パッチ剤)のアルツハイマー型認知症の薬で、2007年7月にアメリカで最初に承認され、その後EU諸国、日本を含めた世界90ヵ国で承認されています(2019年3月時点)。

リバスチグミンは、アセチルコリンの分解酵素であるアセチルコリンエステラーゼとブチリルコリンエステラーゼの阻害作用に基き、脳内のアセチルコリン濃度を上昇させて脳内コリン作動性神経機能を活性化する薬です。認知症の進行にともなって神経細胞の脱落が起こり、アセチルコリンエステラーゼの活性は低下します。

一方、脳内のグリア細胞の数は増加するため、相対的にブチリルコリンエステラーゼの活性は上昇しているため、アセチルコリンエステラーゼ阻害作用だけでなくブチリルコリンエステラーゼ阻害作用を合わせ持つこの薬は、脳内において更にアセチルコリン濃度を上昇させることによって認知症の進行を遅らせる効果が期待されます。

認知症の進行を遅らせる神経保護薬

メマリー(メマンチン)

メマリーは、グルタミン酸が作用するNMDA受容体に働きかける薬です。認知症の原因としてはアセチルコリン仮説の他にも仮説があり、この薬は「グルタミン酸仮説」に基く治療薬です。グルタミン酸は脳内の主な興奮性神経伝達物質で、その受容体のひとつにNMDA受容体というものがあります。NMDA受容体は大脳皮質や海馬に高密度に存在し、記憶に関係しています。

認知症の記憶障害には、このグルタミン酸ニューロンや NMDA 受容体の減少が関与していると考えるのが「グルタミン酸仮説」です。この仮説では、グルタミン酸がNMDA受容体を過剰に刺激することによって神経細胞死や記憶形成過程の障害が引き起こされると考えられています。この薬は、NMDA受容体への過剰な刺激を抑えることによって神経細胞を保護し、認知症の進行を遅らせる薬です。

認知症の原因物質を排泄

成人の脳では、1日に約7gのタンパク質のゴミが作られています。この脳のゴミが適切に排泄されずに脳に蓄積すると、健康を損なう可能性が高まるといわれています。認知症の原因物質として疑われるアミロイドβも脳で生じるゴミの一種です。

通常、この種のゴミはグリンパティックシステムと呼ばれる脳のクリーニングシステムによって処理されていますが、ここに何らかのトラブルが生じるとゴミは脳に蓄積されることになります。最新の研究では脳のゴミの蓄積が認知症と深い関わりを持っているといわれます。このことからも脳のゴミを適切に排泄することは、有効な認知症対策であると考えられます。

認知症の原因物質が排泄される仕組み

私たちは食べ物から栄養を摂取し、体にとって不要なものをゴミの種類として排泄します。一般に、私たちの体内で生じたゴミ(不要な物質)は腎臓や肝臓で処理されて体外へ排泄されます。その過程では、リンパ系が大切な役割を果たします。体中に張り巡らされたリンパ系が様々な種類のゴミを回収し、細い導管→太い導管→血管の順に流し込み、腎臓や肝臓へと運搬します。

では、脳で生じるゴミはどうでしょうか?昔は、「脳は特別な組織で、脳で生じるゴミは脳内で全て処理されている」と考えられていました。しかし、近年の研究によって脳にもゴミを回収する仕組みが備わっていることが明らかになりました。脳の血管は「血管周囲腔(けっかんしゅういくう)」に囲まれています。血管周囲腔内には脳脊髄液(のうせきずいえき)という液体が流れ、その外側は「アストロサイト」という支持細胞とつながっています。

脳で生じたゴミは脳脊髄液中に流れ込み、アストロサイトを通じて静脈内に送られて腎臓や肝臓で処理されます。この仕組みを「グリンパティックシステム」といいます。認知症の人の脳ではグリンパティックシステムが正常に機能することができずに、認知症の原因物質といわれるアミロイドβやタウタンパクなどの脳のゴミが脳内に蓄積し、記憶が失われていくのではないかといわれています。

脳のデトックスシステムを活性化する治療法

グリンパティックシステムは、近年になって明らかにされた脳のデトックスシステムです。しかし、この存在は以前より予見され、手術中に、時折、脳で生じたゴミの排泄ルートである脳脊髄液の流れ方に異変が起きることに気付いた医師がいます。

この医師は、脳脊髄液の流れに異常が生じると記憶力・集中力の低下、頭痛、無気力、慢性疲労など様々な現象が起きることを発見し、さらに、外部からの手指刺激を用いた脳脊髄液の流動調整によって、これらの症状が治癒することを見出だしました。この手法は頭蓋仙骨療法(とうがいせんこつりょうほう)と呼ばれますが、頭蓋仙骨療法はグリンパティックシステムの正常化を目指す手法と考えることができます。

グリンパティックシステムの研究には、脳における水の出入り口となる「アクアポリン4」というタンパク質の発見が重要な役割を果たしましたが、アクアポリン4の働きを証明するためには脳内における水の動きを生きたまま可視化する必要がありました。当時は現在のような高度な顕微鏡技術がなかったため、多くの人々にグリンパティックシステムの存在を知ってもらうことは難しかったのかもしれませんが、頭蓋仙骨療法における脳脊髄液の流動システムの考え方は、まさしくグリンパティックシステムそのものです。

快適な日常生活を目指す漢方薬アロマタッチ

私たちは、この手法をさらに進化させ、脳に働きかける漢方薬、大きなリラックス効果を生むメディカルアロマシャワー、様々な効能を持つ温泉療法を頭蓋仙骨療法と融合し、あらゆる角度から脳の活性化を目指す「漢方薬アロマタッチ」を開発いたしました。

漢方薬、メディカルアロマ、温泉療法、頭蓋仙骨療法をそれぞれ単独で用いるのではなく、これら全てを同時に行うことに私たちは大きな意義を見出しています。漢方薬アロマタッチでは漢方薬の使用が必要とされるため、薬剤師の資格と医薬品の取り扱い許可が必要です。また、メディカルアロマシャワーの実践には美容師の資格と美容所の許可が必要です。

私たちは、これら全ての資格と許可を所有し、みなさまに安心してご利用いただける環境を整えています。漢方薬アロマタッチは、既成概念にとらわれず、何とか認知症のお悩みを解決する方法はないかと模索した結果、ようやく辿り着いた手法です。漢方薬アロマタッチが目指すのは快適な日常生活を取り戻していただくことです。

漢方薬アロマタッチによって、同じことを繰り返し質問することがなくなった、気持ちが穏やかになり、暴言がなくなったという報告を受けています。認知症対策のひとつとしてお考えいただければ幸いです。

このページは医薬関係者への情報提供を目的としています。