認知症になりやすい人の特徴と漢方薬アロマタッチの予防効果

認知症になりやすい人の特徴には性格が深く関係するという報告があります。この報告によると、責任感の強い人は認知症になりにくいといいます。また、高血圧や糖尿病といった生活習慣病を持つ人は認知症になりやすいともいわれます。さらに、脳で生じるゴミは認知症と深い因果関係があるのではないかと疑われています。

認知症になりやすい人の特徴には性格が深く関係する?

フロリダ州立大学の研究グループは、男女合わせて1万1181人を6年間追跡し、認知症の発症と性格特性との関連性を調べました。分析の結果、性格特性のうち認知症リスクと最も強く関連したのは責任感で、責任感が強い人は認知症の発症リスクが35%程度低下しました。

この他にも、自制心と勤勉さも認知症に対して予防的に働くことが示されています。この研究では「責任感と自制心が強い努力家の人は認知症の発症リスクが低い」と結論付けています。

5つの性格を比較することによってわかる認知症になりやすい人の傾向

神経質・外向性・正直さ・協調性・誠実性という5つの性格と認知症になりやすさとの関係を調べた研究もあります。この研究によると、協調性、誠実性がそれぞれ低下すると認知症になりやすい傾向が現れ、神経質の度合いが増しても同様のことがいえるといいます。

認知症になりやすい人の特徴と生活習慣病

認知症は、従来、生活習慣病の影響をあまり受けないと考えられてきました。ところが、最近の研究によって、認知症の発症には生活習慣病が大きく関わっていることが明らかになってきました。中でも、大きな影響を与えるといわれるのが高血圧と糖尿病です。このふたつの病気によって、認知症を発症するリスクは2倍になるといわれています。

早めの高血圧治療が認知症の発症リスクを低下させる

生活習慣病の中でも、特に高血圧と糖尿病が高い確率で認知症引き起こすのはなぜでしょうか?高血圧の人は、脳梗塞や脳出血を引き起こしやすいことが知られています。これは、長い年月にわたって高血圧が持続することによって、脳の動脈が硬くなって弾力を失い、血管が切れたり詰まったりしやすくなるためです。

脳の中でも精神面を司る前頭葉や頭頂葉などに脳卒中が起きると、認知症を発症しやすくなります。高血圧を早めに治療することによって、脳卒中の発症確率は劇的に減少するため、認知症の予防効果も高くなるといわれます。特に後期高齢者で発症する認知症は、脳卒中による影響はさらに大きくなるため、脳卒中の予防が認知症の予防に直結すると考えられています。

糖尿病は認知症の発症リスクを2倍にする

糖尿病は、認知症の発症リスクを2倍にするといわれています。認知症では、脳の中にアミロイドβという脳のゴミが蓄積されていくという特徴があります。糖尿病では血糖値が上昇して高血糖状態が維持されます。すると、糖が飽和状態になるのを防ぐために膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。

役目を終えたインスリンは酵素によって分解されます。このインスリン分解酵素はアミロイドβを分解し、脳外へ排出するという働きも合わせ持ちます。糖尿病の人の体内では、インスリン分解酵素は増えすぎたインスリンを分解するのに手いっぱいとなり、アミロイドβを分解することができず、結果としてアミロイドβの蓄積につながるのだといわれています。

この考え方は、糖尿病患者が高い確率で認知症を発症する理由を示す有力な仮説として注目を集めています。

認知症になりやすい人の脳ではゴミが溜まりやすい?

成人の脳では、1日に約7gのタンパク質のゴミが作られています。このゴミは、適切に排泄されないと脳に蓄積し、健康を損なう可能性が高いといわれています。認知症の原因物質として疑われるアミロイドβ(ベータ)も脳で生じるゴミの一種です。

通常、これらのゴミはグリンパティックシステムと呼ばれる脳のクリーニングシステムによって処理されていますが、ここに何らかのトラブルが生じるとゴミは脳に蓄積されることになります。もしかすると、認知症になりやすい人の脳ではゴミが溜まりやすいのかもしれません。この脳のゴミを排泄することが認知症になりにくくさせるための大きなポイントになると考えられます。

脳のゴミが捨てられる仕組み

一般に、人間の体で生じたゴミは腎臓や肝臓で処理されて体外へ排泄されます。その過程で、体中に張り巡らされたリンパ系が様々な組織で生じたゴミを回収し、細い導管→太い導管→血管の順に流れ込み、ゴミを腎臓や肝臓へと運び込みます。かつて、脳にはリンパ系のようなゴミを回収する仕組みは存在せず、脳で生じたゴミは全て脳内で処理されると考えられていました。

しかし、近年の研究によって脳にもゴミを回収する仕組みが備わっていることがわかりました。この仕組みを「グリンパティックシステム」といいます。脳の血管は「血管周囲腔(けっかんしゅういくう)」に囲まれています。両者の間には脳脊髄液(のうせきずいえき)という液体が流れ、血管周囲腔の外側は「アストロサイト」と呼ばれる支持細胞とつながっています。

脳で生じたゴミは脳脊髄液中に排泄され、アストロサイトを通じて静脈内に送られて腎臓や肝臓で処理されることがわかっています。認知症の脳内では、グリンパティックシステムが正常に機能せずにアミロイドβという脳のゴミが蓄積し、記憶が失われていくのではないかといわれています。

脳のゴミの排泄を促進する頭蓋仙骨療法

グリンパティックシステムは、近年になって明らかにされた脳のゴミ処理システムです。しかし、この存在は以前より予見され、手術中に、時折、脳で生じたゴミの排泄ルートである脳脊髄液の流れ方に異変が起きることに気付いた医師がいます。

この医師は、脳脊髄液の流れに異常が生じると記憶力・集中力の低下、頭痛、無気力、慢性疲労など様々な現象が起きることを発見し、さらに、外部からの手指刺激を用いた脳脊髄液の流動調整によって、これらの症状が治癒することを見出だしました。この手法は頭蓋仙骨療法(とうがいせんこつりょうほう)と呼ばれ、まさにグリンパティックシステムの正常化を目指す手法と考えられます。

グリンパティックシステムの研究には、脳における水の出入り口となる「アクアポリン4」というタンパク質の発見が重要な役割を果たしましたが、アクアポリン4の働きを証明するためには脳内の水の動きを生きたまま可視化する必要がありました。

当時は現在のような高度な顕微鏡技術がなかったため、世の中の人にグリンパティックシステムの存在を広く認知されるのは難しかったのかもしれませんが、頭蓋仙骨療法における脳脊髄液の流動システムの考え方は、まさしくグリンパティックシステムそのものです。

認知症予防の可能性を探る「漢方薬アロマタッチ」

私たちは、この手法をさらに進化させ、脳に働きかける漢方薬、大きなリラックス効果を生むメディカルアロマシャワー、温泉療法を頭蓋仙骨療法と融合し、様々な角度から脳を活性化させることを目指した「漢方薬アロマタッチ」を開発いたしました。

漢方薬、メディカルアロマ、頭蓋仙骨療法、温泉療法をそれぞれ単独で用いるのではなく、全てを同時に行うことに私たちは大きな意義を見出しています。漢方薬アロマタッチでは漢方薬を必要とするため、薬剤師の資格と医薬品の取り扱い許可が必要です。また、メディカルアロマシャワーの実践には美容師の資格と美容所の許可が必要です。

私たちは、これら全ての資格と許可を所有し、みなさまに安心してご利用いただける環境を整えています。漢方薬アロマタッチは、既成概念にとらわれず、何とか認知症のお悩みを解決する方法はないかと模索した結果、ようやく辿り着いた手法です。漢方薬アロマタッチが目指すのは快適な日常生活の維持です。認知症予防のひとつとしてお考えいただければ幸いです。

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